自己満ハイブリッドオタクの塵溜

いつどこで何のオタクをしているのか私にすらわからない

サマソニで突然始まった英会話。結局、原動力は「好き」なのだ。

私には後悔していることがある。

 

この話は3年前の夏まで遡る…

 

私は大好きなロック・バンドが来日するという情報を聞き、始めてサマーソニックに行った。当時、私の周りに洋楽好きの友達はおらず、一人でそのフェスに行った。

この事に後悔しているわけではない、後悔しているのは当時の私に英語力が微塵もなかったか事だ。

 

やっと出会えた大好きなバンドマンたち。けれど彼らの話している内容がわからない。そんな私を置いていくようにMCで盛り上がる会場。このときばかりは「翻訳こんにゃく」が欲しい、とドラえもんにすがるのび太のような気持ちでいっぱいだった。

 

しかし、この日の英語に対する難関はまだ先にあった。

 

駅から離れたところにフェス会場があったため、移動用のシャトルバスが用意されていた。長蛇の列を作ったバス乗り場で、1日中フェス会場をめぐった私の脚は鉛のように重たかった。やっと着たバスに準に乗り込む。私がバスに足を踏み入れたとき、最後部の座席しか空いていなかったため、しかたなく5人掛けの一番左に座った。その後乗ってきた外国人の集団はためらうことなく私の隣に座る。

 

あろうことか、私の隣の外国人男性は友達ではなく私に話かけてきたではないか!

しかも英語で!

なぜだ!?友達と楽しんだフェスの帰り道。積もる話はたくさんあるはず…

戸惑いながらも、まずはなんとか自分が英語を話せない人間なんだということを必死に伝える。

 

「Sorry.I don't speak Einglish.」

「エイゴ デキマセン」

 

もう必死すぎてなんて返答したのか覚えていないが、返事をしながら即剤に翻訳アプリをダウンロードしていた私の判断力は優秀な方えではないか?

とにかく、彼がなんと話ているのかわからない私…そんな中、彼のスマホから流れる音楽。

それはリタ・オラの「New Look」だった。

New Look - song by Rita Ora | Spotify

「ああ、リタ・オラ!」と反応しただけで肩を組んで喜んでくれた彼。残念ながら私はその日リタ・オラのステージは見ていないのだけど…そのことが彼に伝わったかどうかは怪しいところだが。彼の話に熱量が増し、リタ・オラが好きなんだな。ということは私にも十分わかった。

 

そうじゃん。言語が違っても「音楽が好き」という気持ちは伝わるんだよ!

 

そう気づいた私も必死でFall Out Boy(以下FOB)が好きということを伝えてみた。

すると、彼はスマホFOBの曲をかけてはまた肩を組んでくれる。

The Phoenix - song by Fall Out Boy | Spotify

た、多分伝わったよな!?

 

実はこのバス、片道20分くらいかかる。

音楽の話にたどり着くまでは長く感じたが、好きなことを話すには日本語でも英語でも時間が経つのはあっという間だ。

もうすぐバスが駅につく…

そんなときに彼は自己紹介を始めた(と思う)

私のリスニングによると、おそらく彼は英会話教室の先生で、私を勧誘しているのではないだろうか?

どうしよう!断り方がわからない!

自分のカスカスの語彙力と英語力から、なんと断ろう…

「My job is nurse. and so busy! so hard! I'm not live in Osaka.」

彼が残念そうな顔をしているのを見ると、なんとか伝わったのだろう…

 

そうして駅で手を振りあった私達。この経験が後の私に影響を与えることになろうとは、当時の私は知るよしもない。

 

今年、3年ぶりにサマーソニックが開催される。

しかもヘッドライナーにTHE1975よ!行くしかねぇ!

 

そして思い出す3年前のバスでの会話。

 

もし、あの時の自分に英語力があれば、彼とどんな話ができただろう。もっと好きな音楽を共有できたんじゃないだろうか。英語ができないことに怯えながら話すのではなく、もっと楽しく話せたんじゃないだろうか。そもそも、彼がもし一人ぼっちの私を気にして話てくれたんだったら、もっと感謝の気持ちを伝えたかった。

 

そんなことを考えていた。

やるなら今だ。今年は3年前のような後悔はしない。

 

微力だが、少しずつ英語の勉強を始めている。まだまだテキストなしで話すのは厳しいが、あの頃よりは英語力はついてきたんじゃないだろうか。

 

あの時、もし英語が使えたら、きっと私も彼ももっと楽しめたんだろう。

そして言いたい。「話かけてくれてありがとう」と。